漫画感想記36冊目
スーパーロボット・パキントに乗り、イチロー・ミライがはるかな宇宙で大活躍!! 宇宙海賊退治に犬さがしまで、宇宙のトラブルはなんでも俺たちにおまかせあれ。銀河特命隊パキントキント、いざ出陣!! 【1巻裏表紙より引用】
登場人物
今似イチロー
宇宙船、西口共栄会号に暮らす小学生、今似(イマニ)イチロー。10歳。西口共栄会と宇宙の平和を守る組織パキントキントのメンバーである。パキントキントのメンバーはそれぞれの役割を持つが、イチローには弟のミライのお守りという役割しか無い。弟のミライはパキントキントのパイロットを務め、イチローもパイロットになりたいと願うものの、その想いは祖父で長官の勘太郎により拒否される。なんの役割もないことから馬鹿にされることもあるが、大胆な決断を下せる唯一のメンバーでもある。
今似ミライ
パキントキントのパイロット、今似(イマニ)ミライ。4歳。人畜無害な見た目をし、性格も幼さを残すが、イチローには腹黒さを隠さない。パキントキントとの脳波シンクロを交わすことが可能で、シンクロ後は性格が急変し、強気で闊達な性格の少年に変貌する。変貌後は冷静さに欠けるが、イチローのサポートを聞くだけの理性は持ち合わせる。
竜泉スミレ
パキントキントの操縦士(ナビゲーター)、竜泉(リュウセン)スミレ。勝ち気な性格の少女で、イチローを小馬鹿にしつつ口喧嘩の相手を務める。喧嘩に使うのは口だけでなく、足技を使った格闘技にも優れる。実家はケーキ屋、ポワール洋菓子店を営む。うどんやそばの見た目をした奇抜なケーキを作る変わった店であるが繁盛しているもよう。厨房には一家で入っており、スミレも天才パティシエと茶化されつつ持て囃される。
清澄ハジメ
パキントキントの通信士(オペレーター)、清澄(キヨスミ)ハジメ。真面目な性格の少年。塾に通い、宿題の多さから多忙な様子。イチロー、ミライ、スミレ、ハジメの4人の活動は西口共栄会内で秘密とされるだけでなく、親にも活動のことは伝えられていない。
今似勘太郎
西口共栄会会長、今似勘太郎(イマニ カンタロウ)。イチローとミライの祖父。パキントキントの長官を務めることから長官と呼ぶよう周囲には求めるが、孫だからという理由でイチローからはじいちゃんと呼ばれる。パキントキントのパイロットであるミライには甘いが、イチローの扱いはぞんざいなもので、パイロット認証のお願いを事あるごとにされるも尽く退ける。表の顔である西口共栄会会長としては商売上手と評判が高く、身内からは守銭奴呼ばわりを受ける。
ロボット要素
パキント
変形合体ロボ、パキント。宇宙の辺境に存在するメーダ星雲出身のキトンキ博士の手によって作られ、西口共栄会の中に秘密裏に存在する組織、パキントキントが運用する。性能が極めて高いだけでなく、脳波シンクロシステムという謎のシステムを積む。肉弾戦を得意とし、腕部による打撃攻撃、パキントパンチ。蹴撃、パキントキック。パキントチョップ、パキントぐりぐりなどの攻撃方法を持つ。胸部装甲内には攻撃対象を氷漬けにする強力な兵器、フリーズキャノンを内蔵する。また、背面に背負った巨大なバックパックには手持ち用のバットが格納されている。出撃時はキントと合体した姿で、目標に近づいてから分離、変形合体することで巨大ロボ、パキントになる。
キント
宇宙船、キント。パキントとの合体機能を有し、合体時パキントは船体前方に接続される。普通の宇宙船に無い機能に、空間の歪みを利用して超光速より短時間に移動できる、ワープドライブ航法がある。ワープドライブ航法は合体時にのみ使えると思われ、通常航行ではワープドライブ航法用のワープエンジンを動かさない。その他の機能には防御用のバリヤーなどがある模様。また、船内には小型宇宙艇、パキンパを内蔵する。
西口共栄会号
宇宙商店街、西口共栄会号。西口共栄会号は宇宙を旅する名物商店街。近場の宇宙船から買い入れにくる者も多い。
スカラベ
ロボチャンプ戦士、ゴーストの機体、スカラベ。ロボチャンプとはロボット同士が1対1で戦う競技。後ろから相手の首を抑えたら勝ちとなる。ゴーストはロボチャンプ戦士として高名を馳せたが、反則を犯したことでロボチャンプ界から追放された。イチローのあこがれの存在でもあったが、現在ではギャング団の用心棒へと身を落とす。機体的にはパワーに特徴がある模様。
作画
子供向けのの作品のためか線が太くハッキリとしています。キャラだけでなくメカも同様で、デザイン的にもわかりやすく、全体が把握しやすくなっています。
どのページも丁寧に描かれており、背景や小物も含めると画面の情報量はかなり多いです。表現は簡略化されつつも手が抜かれているとは全く感じません。
メカやキャラの設定画も豊富に載っているありがたい作りをしています。
雑感
本作は少年向けより更に下の層である年齢をターゲットとした作品です。大人が読むには子供っぽさや軽さといったものが感じられます。しかし、そういった子供向けの部分とは別にしっかりとした作りの作品だと思いました。全2巻と短いながら、1巻は作品の雰囲気をしっかりと伝え、2巻でメインの物語が大きく動きます。
感心したのは1巻と2巻の緩急の付け方です。1巻はゆっくりと、2巻はスピード感を持って、それでいて作品の作りからは焦りは感じられません。適度なバランス感覚を持って情報を伝えているため非常に読みやすい。最初に子供向けという言葉を使ったけど、良い意味で子供向けだと言える読みやすさです。
子供向けという部分に留意は必要ですが、物語に盛り上がる場面はしっかりとあるし、主人公だけどサブパイロットという一風変わった設定も上手く使って話が作られています。全体的に外れを作らない、手堅い作りの作品でした。
作品データ
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