漫画感想記14冊目
平凡な生活を送っていた碇シンジ。ある日、「玉(コア)」を拾ったことによってシンジの日常は大きく変わる――。クラスメイトの綾波レイ、惣流=アスカ・ラングレー、そして転校生の渚カヲル――。彼らの前に次々と現れる“使徒”に立ち向かう、シンジの運命とは…!?話題騒然の新感覚“学園エヴァ”がついに開始!!【1巻裏表紙より引用】
登場人物
碇シンジ
ミッション系の学園、NERV(ネルフ)学園の学生、碇(イカリ)シンジ。母親を幼き頃に亡くし、父親も海外赴任中のため、父の元部下である加持の家で世話になる。優柔不断で戦闘には向かない性格だが、友達を失うかもしれないことへの恐怖を意思へと変え、戦う覚悟を決める。使用するエヴァは銃型。
綾波レイ
シンジのクラスメート、綾波(アヤナミ)レイ。包帯を巻いた状態で登校するなど、謎が多く掴みどころのない少女。感情が乏しく口数も少ないため、級友からは暗い性格と捉えられる。表向きはただの学生だが、その正体は人類最大の脅威と目される使徒と戦う、監視者(シェムハザ)であり、使徒との戦いによる生傷は絶えることがない。使用するエヴァは点鋼叉型。
惣流・アスカ・ラングレー
シンジのクラスメートにして、綾波と同じく監視者の、惣流(ソウリュウ)・アスカ・ラングレー。高圧的な性格で、正反対の性格であるシンジとは馬が合わない。プライドが高く自尊心も強いため、見下されることを激しく嫌う。性格を表したかのごとく鞭型のエヴァを使う。
渚カヲル
転校生、渚(ナギサ)カヲル。転校前から綾波と知り合いであるなど謎の多い人物であるが、その正体は綾波やアスカと同じ監視者。社交的な性格のためシンジとは接点がなさそうであるが、シンジを戦いへと誘った張本人。カヲルは他の監視者と違う特別な監視者のため、使徒の知覚が可能となっている。扱うエヴァはサーベル型。
セス マコト
NERV学園の初等部に通う少女、チェチーリア・ディ・ヌォーヴォ。通称はセス。ネーロという黒い捨て猫の世話をしている時にラミエルの襲撃に巻き込まれ、シンジに助けられたことで特別な感情を抱くが、シンジを目の前にすると赤くなってしまって話すことが出来ない。
マコト・ディ・ヌォーヴォ。通称マコト。セスの双子の兄弟で、彼ら双子の歌声は天使の歌声と評される。日本人とイタリア人のハーフで両親はイタリアに居るため、幼き身ながらセスと二人暮らしをしている。妹が熱視線を送るシンジに対して強い警戒心を持つ。
ラミエル
使徒、ラミエル。使徒は精神体でしかないため、動物の体を器として寄生することで実体を得る必要がある。寄生元となった人間は寄生された時点で亡くなり、翼を生やしたりと身体を都合良く変えられてしまう。また、元々持つ能力、ラミエルの場合は雷撃も継続して使うことが可能となる。
使徒の正体は、次元と次元を支える世界樹(イグドラシル)を安定させるために必要なコアを元にして生まれた存在。世界樹を守るNERVは、使徒の身体に宿るコアの回収を主目的としているため敵対することになる。
ロボット要素
エヴァ
使徒と戦うための力、エヴァ。使用者に応じた形で具現化されるため、銃、鞭、槍など形は様々である。また、副次的に身体能力の強化、攻撃から身を守るATフィールドの使用も可能となる。
本作は原作のアニメと異なり巨大兵器のエヴァは存在せず、その他代替物は影も形も存在しない。
作画
人物の作画は清潔感があってとても綺麗です。特に何気ない普段の表情は線の繊細も合わさって雰囲気が出ています。
メカというメカが出ない作品ですが、メカ要素として唯一出てくる戦闘ヘリの作画はかなり微妙。見てもらえれば分かるとおり、サイズ感が狂っています。1コマ目ではそこそこのサイズがあるように見せて、下のコマではラジコンサイズしかありません。一応補足を挟ませてもらうと、画像の場面は仮想空間の中での出来事なので、作画的に狙っている可能性も否定はできませんが。
アクションシーンもそこそこあるものの、エフェクトがかなり大雑把な印象です。人物の作画が繊細なため、その他の作画に見劣りを感じやすいです。また、背景があっさりしすぎているところも個人的には寂しく感じます。
不満点を並べるような書き方になってしまいましたが、要は漫画向きの絵ではなく、挿絵向きの絵柄ということです。巻末に載っている人物や建築物の設定画を見るとよくわかるのですが、どう考えても挿絵に強みを発揮するタイプです。
雑感
エヴァアニメ未見で読んでいますのでズレた感想となっているはずです。予めご理解ください。
なんとも中途半端な作品です。一応エンディングまで描かれているものの、数話分読み飛ばしてしまったのかと錯覚してしまう唐突な締め方をしており、迎えたエンディングに強烈な違和感を覚えます。
また、1巻から張り続けていた伏線、伏線というか本線だと思ってた話が放置されたままとなっていることも気になります。頻繁に話に絡んでいたのに最後の最後まで特に何もせず、エンディングでも無いもののように扱われるのでなんのためだったのか納得できません。もしかしたらエヴァのアニメを見ていたら理解できるような作り(ニュアンス)なのかもしれませんが、漫画だけで判断すると理解できないでしょう。
唐突なエンディング、未回収の伏線、これらの要素から本作は打ち切り作品の一種なのだと推測できます。本来は描かれるはずであったエピソードがすっぽ抜け、強引にまとめたがために消化不良感の残る終りとなり、読後感の悪い作品となっています。
エヴァファンでなくとも問題なく読めるのはありがたいですけど、ファン以外が楽しめるかは怪しいです。
作品データ
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