カニメガ大接戦!

漫画感想記23冊目

北谷(ちゃたん)第三高校は謎のペンギン、ペンギン番長に支配されていた。ペンギン番長は配下のペンギンコマンダー、通称ペンコマを第三高校に大量に送り込む。ペンコマは誰とでも友達になり、ツッパリまでが感化されてしまう有様。第三高校は常に笑いが耐えない楽園のような状況になってしまった。そんな状況に一人の少女が立ち上がった。照屋(てるや)カニメガ、第三高校の三年生だ。カニメガはペンギンからの開放を目指し、大宜見小五郎(おおぎみこごろう)とその友人、新垣智明(あらかきともあき)を仲間に加え、ペンギン番長率いるペンギン帝国との戦いを始める。カニメガとペンギン帝国の重臣、クチバシ四天王の戦いは熾烈を極めるのであった。【自作】

登場人物

照屋カニメガ

北谷(ちゃたん)第三高校の3年生、照屋(テルヤ)カニメガ。上から90、58、87。高い戦闘力を持ち、ひとりペンギン番長率いるクチバシ四天王と戦っていたが、支配された北谷第三高校の開放を目指し小五郎に助力を求める。この世界で唯一の常識人にして、唯一のツッコミ担当。小五郎の近所に住んでいた婆さんと同じ名前とのこと。

大宜見小五郎

北谷第二高校の1年生、大宜見小五郎(オオギミ コゴロウ)。ケンカっ早くスケベで悪名を馳せる。北谷第三高校の学生だと勘違いしたカニメガのせいで関係のない他校の争いに巻き込まれるが、カニメガが美人であったため力を貸すことを決める。下半身に極めて忠実で、カニメガの下着を見ただけで出血による目眩を訴えるほど脳内は煩悩にまみれる。拳で語る武闘派であるが、服の中には武器もとい、測定用のメジャーを隠し持つ。眼力のみで正確にカニメガの3サイズを言い当てたことから、ミリ単位でサイズ測るために携帯しているのだと思われる。当初は巨乳派であったが、クチバシ四天王の一人、安里しぃとの戦いの中で微乳の良さにも気付く。頭は悪いが身体能力は高く、受け身を取りながらブラのホックを外すなど極めて高いポテンシャルを示す。意識をなくすと理性のタガが外れ驚異的な能力を発揮し、対峙した相手の服のみを完膚無きまで切り刻む。必殺技の小五郎パンチは高い威力を秘めるが、代償として放った腕が使い物にならなくなる。

新垣智明

北谷第二高校の1年生、新垣智明(アラカキ トモアキ)。小五郎の親友であるが、一応頭脳派。冷静に相手を分析して小五郎に助言を与える。しかし、助言は一つとして役に立たず、その他でも一切合切何の役にも立たない存在。小五郎と比べると常識人のように見えるが、実際は小五郎以上にたちが悪い。頭が悪く性欲に忠実でスパッツ女子に興味を示す。

比嘉修

クチバシ四天王の一人、比嘉修(ヒガ オサム)。ニワトリの比嘉の二つ名を持つ。鳥の脳みそ。四天王で最速を誇り、必殺技のコケコッコ・アタックは相手の周囲を目にも留まる早さで動く。新垣いわく台風の目、ひとつだけ動かない場所が弱点だそうだが、そんなものは存在しない。性欲に忠実。

喜矢武重信

クチバシ四天王の一人、喜矢武重信(キャン シゲノブ)。ツバメの喜矢武の二つ名を持つ。発勁使いで、謎のオーラを飛ばすツバメオーラが必殺技。クチバシ四天王の中では唯一頭を使い作戦を練るが、いずれも安里しぃに対する性的なイタズラばかり。精神は常にツバメだと公言するも、頭の中にあるイメージはカモメ。小五郎以上に初心で、カニメガの下着を見ただけで大量出血するほどである。新垣いわく健康であるため注意が必要とのこと。性欲に忠実。

安里しぃ

クチバシ四天王の一人、安里(アサト)しぃ。カラスの安里の二つ名を持つ。上から、78、54、80。スパッツ女子。四天王で最大の腕力を誇り、しぃブリーカーという羽交い締めを必殺技とする。自動車を頭上に持ち上げるほどの腕力であるが、ラバーカップのような武器を使って使う。鳥の脳みそであるも、3サイズを測りに来た小五郎に自ら明かすことで返り討ちに成功し、クチバシ四天王に初めての勝利をもたらす。また、ペンギン番長から預けられた8頭身のペンギンこと、人造人間のペンギンコマンダーを多数引き連れる。一人ひとりは大したことはないが、群れでも大したことはない。擬態機能が唯一の取り柄であるが、有効に使う頭脳を持ち合わせていない。

ロボット要素

南極0号

ペンギン番長が作り上げた機動マシン、南極0号。人間大サイズの試作型ロボットで各所にミサイルを搭載する。初登場時は上空から現れ、即大破。暴走すると触手で安里しぃを絡め取るも、簡単に引きちぎられてしまう。クチバシ四天王が揃う中、安里しぃが戦闘、比嘉と喜矢武が撮影係という協力な布陣で迎え撃つも苦戦を強いられるほどのパワーを秘める。ちなみに臀部に停止ボタンが存在する。

作画

このような立ち絵もありますが、本作は4コマ漫画です。

本作の特徴としては、4コマ漫画でありながら頭身が高いことです。頭身が高いことで可愛さが失われていることもなく、読みづらさを感じることも全くありません。

本作は特殊な経緯を経て単行本化された作品です。1話が掲載されたのは2004年(wiki情報)で、単行本化されたのは2017年と、13年もの開きがあります。全17話のうち14話までは絵の質の成長、進化を感じられるのですが、2017年に新たに書き下ろされた15話以降は変化というほど絵の質そのものが大きく異なります。あくまで個人的にですが、以前に書かれた絵のほうが親しみやすく、急激な変化に馴染みにくさを感じました。

雑感

とにかくギャグセンスが光ります。4コマの一本一本が笑えて、ページ数は120少々と少なめですが、それ以上、その倍以上に感じるほど笑えます。

本作は火星ロボやダイミダラーと同じくペンギンサーガに連なる作品で、時系列的には一番最初の作品となります。このシリーズをご存じの方はシリーズと言っても予備知識無しに読めることはご存知でしょうが、本作も当然ながら予備知識無しで楽しめます。シリーズの他作品を知っていると多少のつながりでニヤリとはできますので、知っていればより楽しめるとは思います。他のペンギンサーガと比べるとロボットの出番が極めて限られている点は異なり、その部分を期待すると肩透かしを食らいますが、作品としての面白さは全く劣っておらず、シリーズの中でも一、ニを争う面白さだと思います。

唯一気になる点はイラストの方で言及していますが、間が空いていることによる変化があります。イラストの変化だけでなくギャグの質も変わっており、個人的には以前に描かれた部分のほうがより笑えました。

面白い漫画が読みたい、楽しい漫画が読みたい、とにかく笑いたい、そういう需要をしっかり満たしてくれるので深く考えずに読みましょう。ギャグ漫画として素晴らしい完成度を持っている作品です。

作品データ

カニメガ大接戦!
なかま亜咲
KADOKAWA ハルタコミックス 2017/8 全1巻
同作者によるペンギンサーガシリーズに連なる作品

×

×



×

×

4

表紙と外部リンク

カニメガ大接戦!
2017年8月発売

余談

これ表紙大丈夫なのかな。Amazonを始めとした各種サイトが載せているということは大丈夫ということだよね。

0件のコメント
コメントを書く