漫画感想記34冊目
真歴71年。中立平和を謳うジオールは軍事国家ドルシアの襲撃を受ける。咲森学園に通うハルトは謎の人型兵器「ヴァルヴレイヴ」に乗り、ドルシア軍と戦う事になるが!? 大人気TVアニメ「革命機ヴァルヴレイヴ」の漫画化。語られざるパイロット達の物語がここに!! 【裏表紙より引用】
登場人物
時縞ハルト
ヴァルヴレイヴの操縦者、時縞(トキシマ)ハルト。ジオール国が所有する宇宙空間居住スペース、モジュール77に存在する咲森学園に通う学生。勝負事であろうと譲ってしまう優しい性格の少年で、好意を寄せる同級生のショーコに気持ちを伝えられずにいる。ジオールはドルシアとARUS(アルス)の二大大国に挟まれた中立国であるにも関わらずドルシア軍による奇襲を受け、ショーコが死んだと勘違いしたことからヴァルヴレイヴと契約を交わし、戦火に身を投じることに。
山田ライゾウ
ヴァルヴレイヴ3号機の操縦者、山田(ヤマダ)ライゾウ。咲森学園2年生。仲間にはサンダーと呼ぶよう求めるものの、本名の山田の方で呼ばれる。中学時は地元のワル、西のサンダーと名を馳せ、東中の風本とどちらが強いのかと噂された存在。咲森学園に入学後も喧嘩に明け暮れ、意気投合した風本ことノブとともに暴れまわる。ドルシア軍の攻撃でノブが殺されてしまうと、仇を討つためヴァルヴレイヴと契約を交わす。粗野で血の気も多いが、学校の番長として学生を守ることに死力を尽くす義理人情に厚い性格。
連坊小路アキラ
ヴァルヴレイヴ6号機の操縦者、連坊小路(レンボウコウジ)アキラ。咲森学園2年生。兄は咲森学園の生徒会長。小さい頃にいじめられた経緯から極度の人見知りとなるが、親しく接してくれるショーコを守るためにヴァルヴレイヴと契約を交わす。ヴァルヴレイヴのコックピットを居住スペースにして人前に出ることは滅多になく、兄であろうとコックピットに近づけないが、ショーコだけは歓迎して迎え入れる。多数の利用者を持つソーシャルネットサービス、WIREDを作り上げた凄腕のプログラマーの顔を持つ。
犬塚キューマ
ヴァルヴレイヴ5号機の操縦者、犬塚(イヌヅカ)キューマ。咲森学園3年生。気さくで仲間想いの先輩であるが金にはがめつい。高額の治療費を捻出できず姉を病気で亡くした過去があるため守銭奴と化した。
ロボット要素
ヴァルヴレイヴ
ジオールが開発したロボット、ヴァルヴレイヴ。ドルシア軍の潜入工作員に強奪されかけるが、ハルトの目の前に現れたことで、咲森学園の学生の手で運用されることになる。ヴァルヴレイヴを動かすには契約が必須となり、契約を交わすと機体の色が変化し、既存兵器を大きく上回る性能を発揮する。高速で動き回り破壊力を持つ光を纏って攻撃する。
ヴァルヴレイヴIII
サンダーが乗る、ヴァルヴレイヴIII。3号機の名称を嫌い、亡くなった友人の名を借りてノブ・ライトニングと名付ける。背面から伸びた砲門と複数の腕が特徴で火力に優れるヴァルヴレイヴ。
ヴァルヴレイヴVI
アキラが乗る、ヴァルヴレイヴVI。性能は他のヴァルヴレイヴと同等であるが、アキラの操縦練度が足を引っ張り本来の能力を発揮できない。手に持つ杖で相手を殴ることで操作系を奪える。
ヴァルヴレイヴV
キューマが乗る、ヴァルヴレイヴV。両肩にマント状のシールドを装備し防御力に優れた機体。前腕部外側にボウガン状の武器、ボルト・ファランクスを装備するが火力面には不安を抱える。
作画
作者さんのコメントにはメカを動かすのに苦労したと書かれておりますがかなり頑張っています。
漫画版だけに限らないヴァルヴレイヴの問題点は宇宙での戦闘が多いのに色が濃く、背景にナチュラルステルスしていることです。また、線の多さが理解をより難しくしています。本作の場合は漫画への落とし込みがされているとはいえず、画面の情報量が過剰に感じます(線が多くても見やすい絵面の作品はありますが)。
人物の作画は硬めです。普段の表情には違和感がないものの、崩した時や大きなリアクションの時の表情は少し違和感があります。また、崩した時の崩し方が中途半端で可愛くなりきれていない印象を持ちます。
雑感
本作はアニメと同じ時間の流れながら、アニメで描かれなかったサブエピソードを描いています。単話完結のオムニバス形式なのでアニメを知らなくても読めはしますが、本編のネタバレ部分に踏み込んだ部分も多く、本編を知る前に読むと損した気分になる可能性があります。
本作単体では世界観の説明も設定の説明も少なく、雰囲気を味わう程度しか出来ません。(未読ですが)小説は本編のノベライズとのことで小説を読むなり、元となったアニメを見るなどすると本作を楽しめるかと思います。
作品データ
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