漫画感想記10冊目
遙かなる未来――超エネルギー『ガイアシステム』の暴走により引き起こされた最終戦争の結果、地球は真っ二つになりその北半球は次元の断層に呑み込まれてしまった……それから一万年――異次元に幽閉され、滅びるままであった人類は強大な力を持ったツァー・マスターを指導者に迎えて残された地球の南半球へ次元を超え進出を開始する。だが、そこにはかつての文明の面影はなく、無限に続く密林と、野蛮な獣人(ビースト)たちの支配する見知らぬ世界へと変貌していた――そして今、人類の存亡をかけて戦う一人の戦士が誕生しようとしていた!!【4ページより引用】
登場人物
V・ダァーン
V・ダァーンこと、V-666号。Dr.アイディーが管轄する科学保安部の主任。マスク無しでは咳き込んでしまう身体であったが、次元生物アクマコとの契約によって強靭な肉体と魔法能力を得る。傲慢で高飛車な性格であるが、これはアクマコとの契約以前からであり、相対的な強さによるものではない。しかし、Dr.アイディーにだけは敬愛を示し、従順で素直になる。
Dr.アイディー
魔法工学の権威、Dr.アイディー。人類を救えるのはツァー・マスターだけと考え、絶対的な忠誠を誓う。V・ダァーンこと666号が魔法を使えるようになったのはアイディーの調整による賜物である。
V・ジョーン
ツァー・マスター直轄の部下、V(ヴィ)・ジョーン。強化人間であるためマスク無しで活動でき、身体一つで自身の何倍もある機械兵を軽くあしらう戦闘力も有する。欠点がないように見えるが、胸が小さいことはコンプレックスな模様。
D・カイン
V・ジョーンのパートナー、D(デー)・カイン。V・ジョーン同様強化人間であるが、単独の戦闘力はV・ジョーンを上回る怪力男。唇はチャームポインらしく、馬鹿にされると怒る。また、耳が非常に良いため、遠くで陰口を叩いても聞こえてしまう。
ロボット要素
斬霊王
調査中の遺跡に眠っていた神霊機(ジン)、斬霊王(ザンレイオウ)。両肩部に電磁発生装置のようなものがあり、電磁によって巨大なトゲ付き鉄球を自在に操り攻撃する。また、腕は4本あり、背中からは触手も伸びているため接近戦が得意と思われる。
機械兵(マ・ジン)
名称不明の機械兵(マ・ジン)。武装面が充実しており、右手には斧、左手先端には打ち出し式のモーニングスター状の武器、更に両眼よりレーザーを飛ばす。
詳細不明な機械兵
このカットしか無いので何が何だか分からない存在。恐らく上記の機械兵と同じような存在と思われる。
作画
殆どの人物は逆三角体型で描かれているので面食らうかもしれません。慣れさえすれば美麗としか表現できないほど作画の質は高く、カッコイイところはカッコよく、可愛いところは可愛く描かれています。
メカの作画は垂涎ものです。まず単純にメカデザインが優れているので、それだけでも面白い。さらに作画の質が高すぎて、ただただカッコイイの一言。漫画におけるロボットの描き方の正解の一つがここにはあります。欠点としてはそれほど出番がないことぐらいです。
ロボットだけでなく構造物も綺麗に描かれています。画像のような機械的構造物だけでなく、自然の描写も綺麗なので、作画全体の満足度は極めて高いです。
雑感
全1巻ながら120p弱(キャラ紹介などを含めると130p)と、一般的なコミックスと比べるとページ数が少なめな本作です。120pで完結する物語のため、描かれている物語は重厚なものではありません。しかし、アニメの敵役であるV・ダァーンの誕生秘話を描くという目的は達せられ、同時にV・ダァーンの魅力もアニメ未視聴ながら感じられる作りとなっています。
本作は全てがコンパクトながら、詰め込まれたコンパクトです。もう少し膨らませても楽しめたことは間違いないので、ページ数が少ないことは褒められたことではありませんが、ページ数が少ないからといってページ数が多い作品より魅力が乏しいかといえばそれは違います。
高クオリティの作画、短いながらも完結した(簡潔な)物語、躍動する登場人物と世界観、楽しむには十分な要素が存在しています。
基本的にはアニメファン向けの作品であることは間違いなく、アニメを見ていればより楽しめることも間違いありません。しかし、アニメ未視聴でも楽しめるので、アニメへの導線の役割も担えているのではないでしょうか。
作品データ
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表紙と外部リンク
獣人の中でも一大勢力を誇るケモノ族。その族長の息子ワン・ダバダは、父シャバ・ダバダの命で、幼なじみのメイ・マーたち海棲族が主催する、五年に一度の「神霊機(ジン)の心」争奪戦に参加することになった。「神霊機の心」とは「神霊機のピラミッド」におさめられた次期獣人の長となるための証なのだ。
後日小説のビースト三獣士を読みましたので興味があればこちらもどうぞ。
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