漫画感想記29冊目
皇帝歴2599年9月1日、その日の4時45分。ローランド共和国の国境に集結したヴィーゼラント帝国軍の5個軍総計45個師団は、朝焼けとともに侵攻を開始。これが第2次星間戦争の始まりであった。ヴィーゼラント帝国軍の新人兵士エミールは、若くして隊長を任されるアイリスの隊に配属され、美しき戦場の女神に導かれ、激動の時代を駆け抜ける。 【前半部は作品冒頭より引用後半は自作】
登場人物
エミール・ハルトマン
ヴィーゼラント帝国第26戦闘航空団第3飛行隊第7中隊所属、エミール・ハルトマン。17歳。階級は伍長。アイリス小隊でのコールサインは白の4番(ヴァイス・フィアー)。父親からは医者になるよう求められるが、敗戦国として多額の賠償金に苦しむ祖国を憂い、戦う道を選び兵士となる。開戦が近いことから訓練を半年も早く繰り上げられてアイリスの小隊に配属となると、恋人のウーシェを故郷に残し戦地に赴く。アイリス小隊配属から1ヶ月で戦争は始まり、初陣となるのは開戦より一週間後のことであった。入隊前の訓練により宇宙空間の飛行はかなり得意であるが、経験が絶対的に不足しており能力を活かしきれない。緩い空気が漂うアイリス小隊の中では真面目な性格が目立つ。
アイリス・フォン・ブラウン
アイリス小隊隊長、アイリス・フォン・ブラウン。階級は少尉。コールサインは白の1番(ヴァイス・アイン)。隊員は隊長を含めて4人。少数の部隊で敵陣に突入し内部から破壊する戦法を取り、その部隊運用、戦法から相手側からは鉄甲弾芯(ペネトレイター)と呼ばれる。年齢こそエミールと近いが、戦場での落ち着きは歴戦の勇士のもの。3年前の内戦で実戦も経験し、5分間で3機を撃墜する神業をみせる。猟兵機の操縦や射撃の腕前に高い能力を見せるだけでなく、隊長としてもエミールの事を気にかけ、彼が生き残れるよう注力する。美しい容姿と気さくな振る舞いからくのファンがおり、軍内では戦場の女神とあだ名される。魔導師の血筋とのことだが魔法は使えない。ミニスカを履くので下着を覗かれるが、羞恥心はそれほどなく気にしていない様子。
ケンプ
アイリス小隊白の2番(ヴァイス・ツヴァイ)、ケンプ。階級は軍曹。おちゃらけた性格をしているが、射撃の腕前は確か。
ガンツ
アイリス小隊白の3番(ヴァイス・ドライ)、ガンツ。階級は軍曹。ケンプ同様におちゃらけた性格をしており、悪友のケンプとともに隊長のアイリスへとセクハラを繰り返し、その度に返り討ちに遭う。アイリスの容姿だけでなく優れた隊長として心底惚れ込む。
アシュタール・フォン・フューラー
ヴィーゼラント帝国皇帝、アシュタール・フォン・フューラー。帝国暦2580年頃に勃発した第1次星間戦争において敗北したヴィーゼラント帝国は貧困と失業者に溢れていた。ヴェルサイユ条約により巨額の賠償金を払わされ、領土の一部も奪われ、兵器の保有も禁止され、永き苦難の時期を過ごす。アシュタールは帝国暦2593年にヴィーゼラント帝国首相の座に就くと、独裁体制の強化を進めつつ、2595年に大統領が亡くなったのを契機に首相と大統領の要職を併せ、皇帝を僭称する。皇帝となったフューラーはヴェルサイユ条約を破棄。再軍備化の道を進めると、再度の戦争に備える。2599年、宣戦布告を行うと各星系が反発するも、惑星内の諍いで終わると考えられていたが、アシュタールの目論見通り戦火は大きな広がりを見せ、第2次星間戦争へと発展していった。
ロボット要素
Bf109
メッサーシュミットが作り上げた、ヴィーゼラント帝国軍の主力猟兵機(イェーガー)、Bf109。アイリス小隊で運用されるのはエンジン周りが換装されたE-3タイプ。最小の機体に最強のエンジンをスローガンに作られ、速度が重視された猟兵機となる。エンジンは水精霊反応型(ウンディーネタイプ)負界12方位魔法陣結合式発動機。水霊発動機DB60-Aaに負界12方位魔法陣を結合させ、霊圧と霊温を上昇させ出力としている。武器は機関銃と銃剣(槍?)のようなもの。背面に可変式の翅翼を左右に備え、自由に空を飛ぶことが可能。猟兵機のコントロールは思念式。繊細な動作には熟練の技術が必要となる。また、猟兵機は猟兵機という名称とは別に、外骨格式猟兵機(エグゾスケルトンイェーガー)と表記されることもある。
Bf109 E-3/B R-3
Bf109の空間戦闘(宇宙戦)仕様。背面の翅翼が宇宙用の機動モーターになっており、空間戦闘に対応する。重力圏離脱能力はないため、宇宙船やシャトルで地上から運び出される。画像のBf109の武装は対艦用のG7e雷法術式魚雷を2発装備したもの。
He-178
ヴィーゼラント帝国における猟兵機開発の雄、ハインケルが作り上げた実験機、He-178プロトタイプ。非武装での最大稼働時間はわずか10分。試運転をしたアイリスは実戦向きでないと評し、ハインケルでは後継機のHe280の開発を既に進める。本機の特徴は新型のエクスプロージョン機関、風・火精霊法術式軸流タービン搭載をしていることにあり、火精霊(サラマンダー)系の呪術駆式は扱いが難しく、実用化の成功例が無い。He-178に使われている火精霊の呪術駆式もパワーを抑えてようやく動かしている状態である。
スピットファイヤーMk-1
聖テュリオーン帝国機甲猟兵、スピットファイヤーMk-1。ヴィーゼラント帝国の隣国であるルクレール共和国に、聖テュリオーン帝国より派遣された新型の猟兵機。新型であるためか高い機動性を誇る。聖テュリオーン帝国はヴィーゼラント帝国にとって最大の仮想敵国である。
ホーカー・ハリケーンMk-1
聖テュリオーン帝国猟兵機、ホーカー・ハリケーンMk-1。ヴィーゼラントへの奇襲に用いられた機体。武装は右腕のドラム状の銃。
作画
作画の質は全体的に高めですが、メカ類の作画は特に優れています。迫力がありながらも緻密です。
人型のメカだけでなく、戦艦や戦闘機といったメカの作画もとても綺麗です。
人物の作画は少し癖があります。頭が大きめで全体のバランスが少し歪に感じます。
本作は設定が凝っていることもあって、巻末に多くの設定や資料集を載せてくれています。作中には出てこないメカの設定画も載っているので贅沢な気分を味わえます。
雑感
設定面は秀逸にして堅実。言葉面だけを追えばインパクト重視な印象を受けますが、実際には緻密に設定されていることがわかります。反面、少し気難しさのようなものを感じます。しかし、流し読みでも楽しめないことはないので、どちらの楽しみ方も許容されています。
あとがきによるともっと多くの構想があったと書かれており、後半の展開の速さからも本作が打ち切り作品であることがわかります。ですが、比較的綺麗にまとめ上げているので不完全燃焼な感じはあまりしません。欲を言えばになりますが、あとがきに書かれていた構想は魅力的であったし、回収できていなかった伏線も気になるところなのでもっと読みたかったです。
質の高い作画、よく練られた設定、まとまりの良い物語など、全体的な完成度は高めです。また、説明文の至るところに実在する名称が使われていることから分かる通り、本作は架空戦記の要素を含んでいます。架空戦記や設定面の充実を求める人にはオススメしやすい作品です。一応補足しておくと紹介文に書いた魔術や呪術の部分は裏設定に近いもので、全面(前面)には全く出てこないので期待していはいけませんし、忌避する必要も全くありません
作品データ
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(French) Merci pour cette article. Cette histoire a l'air intéressante. La fin est elle correcte ?
返信削除Merci d'avoir lu mon article. C'était une pièce unique avec peu de pièces similaires. La partie "La fin est-elle correcte ?" n'est pas bien traduite par la traduction automatique et je ne sais pas comment y répondre. Je suis désolé.
返信削除Bonjour. Excusez le retard de ma réponse.
返信削除Vous avez écrit que l'auteur n'a pas pu développer tout le scénario. Mais les dernières chapitres ont ils une conclusion correcte ?
こんにちは。 返信が遅れてすみません。
あなたは、作者がシナリオ全体を開発することはできなかったと書いています。 しかし、最後の章には正しい結論がありますか?
Bonjour. Je comprends maintenant votre question !
返信削除Le processus vers la fin est un condensé, mais la fin était satisfaisante. Vous pouvez dire que la conclusion a été atteinte et que le travail est terminé.
こんにちは。質問の意味が理解できました!
エンディングに向かう過程がダイジェストになっていますが、最後は納得のできるものでした。結論が出て、作品は完結していると言えます。