地球防衛軍附属女子高SIMOON

漫画感想記13冊目


『地球は、女の子が救うのだ♬桃子と京は女子高生!清く正しく美しく!!地球を守る美少女だい!!』 地球防衛軍――それは宇宙からのそして地球上の脅威と闘う組織である。防衛軍内部には用兵に応じた養成機関が附属している。地球防衛軍附属女子高はパワードスーツパイロット養成コースである。なぜ女子高かというとそれは……【そでと20ページより引用】

登場人物

大河内桃子


地球防衛軍附属女子高の学生、大河内桃子(オオコウチ モモコ)。問題行動は多くシミュレーター成績も悪いため、落ちこぼれ学生と見られがちだが、シミュレーターでは実力が測れない、未知数の能力を秘めている。六甲の暴れ猪、放し飼い狼、歩く闘争本能、などなど好戦的な二つ名を多数持つ血の気の多い性格。

瑞之京


桃子のパートナー、瑞之京(ミズノ ミヤコ)。自称では優秀とのことだが、流される形で桃子の悪事の片棒を担ぐ、壊れたブレーキ。京もまたシミュレーターの成績が悪いが、理由は桃子と同じく能力の超過が原因である。

浜美奈


パイロット養成コースの教官、浜美奈(ハマ ミナ)。軍属で階級は教導大尉。年齢は25歳。問題児の多い学生を時には感情的に、時には宥めながらコントロールする。

ロボット要素

名称不明


地球防衛軍のパワードスーツ、機体名称不明。主武装はミサイル。両肩のバインダーに搭載されたブースターは長時間の飛行を可能とするもので、陸上戦より空中戦を得意としていると思われる。各地で新型の開発が進んでいることからも旧世代の機体であることが伺える。

パワードスーツ開発の第一人者アル・ラシード博士の故郷でよく見られる砂嵐(SIMOON)にちなみ、地球防衛軍ではパワードスーツのことをSIMOON(サイムーン)の通称で呼ぶ。

インドラ


香港で開発された最新鋭機、インドラ。全天周スクリーンに粒子ビーム砲と新技術が惜しみなく注ぎ込まれ、追加ブースターを装備することで木星の重力下でも活動が可能となる汎用性を併せ持つ。主武装は新技術の粒子ビーム砲であるが、技術的に不安的な部分があるため、運動性能も含めてパイロットの桃子からは不満をもたれる。

最新鋭機


京都で開発中の最新鋭機。詳細なスペックは不明ながら、同時期に開発されていたインドラを上回る性能を持つようで、インドラでは満たせない桃子の要求を満たすことを視野に入れた開発がされている。主武装はインドラと同じく粒子ビーム砲。


怪獣。作中で詳しい説明はないが、地球防衛軍の存在理由であり、SIMOON開発に至った原因だと思われる。空を飛ぶ怪獣だけでなく、陸上型や海中で活動する貝獣など多種多様。中には特殊能力を備えた個体も存在する。

作画


キャラの作画自体に問題はないものの、キャラデザが被り気味のため、ちょっと注意をしながら読む必要があります。


SIMOONのデザインはかなり特殊です。画像のような極端なまでにずんぐりむっくりな機体は少ないものの、胴体が大きく手足が細めかつ短めな機体が多いです。


しかし、飛行時の姿はどれもカッコよく、作画も良いためどの画像を使うかで大いに悩みました。また、作中には戦闘機も少数ながら出てくるのですが、細かく丁寧に引かれた線が綺麗です。

雑感

80年代後半から90年代前半に多くあるSF&ギャグ作品の1つになります。SF部分は教養がなくとも、なんとなくで理解してなんとなくで読めば普通に楽しめますが、ギャグの部分に関しては覆しようのないズレ(ジェネレーションギャップ)があります。ギャグ部分が総じて面白くないかというとそうではなく、会話のノリで笑える部分もかなり多いので、もう少し吟味がされているとよかった。

全1巻ということもあるのでしょうが、本作には大きな目的だったり、物語の行く先が全く見えません(ありません)。肩肘を全く張っていない作品なので、なんとなく手に取って、なんとなく読み、なんとなく楽しむのが正解でしょう。

そういう意味では手軽に読める電子書籍になっていないのが残念。公園に落ちている石よりもハードルが低い、極めて読みやすい作品なので、見つけた際には気軽に手にとって読んでいただければと思います。

作品データ

地球防衛軍附属女子高SIMOON
本多将
創映新社 FDコミックス 1988/12 全1巻








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表紙と外部リンク

地球防衛軍附属女子高 SIMOON
1988年11月発売
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