二度目の夜明け【岳飛伝2巻読了】

一応水滸伝シリーズ既読者向けの感想となっていますので誰々が死んだとか当たり前に書いてあるので注意して読んで下さい(今巻分については特に言及していないはずです)。

2巻前半部分の流れは1巻と変わらずそれほど大きな動きは無し。しかし、後半部分に関しては満を持してというべきか、大きく動き始めるきっかけとなるであろう戦が始まりました。予測を立てて読むスタイルではないので、特に深く考えているわけではありませんが、序盤にして何人かは死ぬのだろうと思われる流れとなっています。予想することも出来ますが無駄な気がするので誰か死んだらその時に語ろうと思います。

2巻の印象的だったキャラは岳飛でしょうか。楊令伝に出てきた岳飛は戦馬鹿でハッキリいって戦以外では輝かないキャラでしたが、ようやく人としての輝きが出てきました。そんな岳飛が人らしくなっていくさまを読んでいて軽くデジャブを憶えたのは自分だけではないと思います。というのも、楊令伝の楊令も同じように戦の獣から人になり、どんどん面白さを増したキャラだったと思います。岳飛がタイトルを背負うにふさわしいキャラになっていくことはうれしいです。

交易隊も面白いですね。楊令伝ですら活動範囲が東は日本で西は西遼(カラ・キタイ)と、とんでもなく広かったわけですが、ここから更に南にまで広げますかと。張朔自体が面白いキャラであるのに、その張朔に面白い冒険をやらせているのでここからの展開が俄然楽しみです。

戦闘班は呼延凌の味が増しています。父親の呼延灼は重いものを背負わされて老けた感じがありましたが、呼延凌はやんちゃさも残っています。ただやんちゃなだけでなく、基本がどっしりしているだけに危うさもそれほど感じない所が実に良いです。

戦闘班で他に気になるところとしては赤竜児葉敬でしょうか。何故気になるかというと目立っていないからです。それほど多くの出番があったわけでもなく、遊撃隊に耿魁という大物感漂わせる新人が入ってきました。史進の年齢もあるので後継として葉敬が出てきたのは腑に落ちていたのですが、なら耿魁はなんのために出てきたのでしょう。流石に葉敬が死ぬには早いと思うのですが北方さんは容赦のない方なので油断なりません!杞憂であればよいのですけど。

ちなみに容赦ないと感じた死に方をしたキャラの筆頭は大刀関勝です。あれだけ魅力的な光を放っていたのに梁山泊軍として大きな輝きもなく死なせてしまったのは勿体なかったです。後の展開も考えると、あそこまで大物感があると早めに仕留めておかないと手がつけられなくなった可能性もあるわけで、流石北方さんだなと思いました。楊令伝では花飛麟がそうでしたね。彼も扈三娘の死から一皮剥けて強烈なカリスマを放っていたので、楊令亡き後を考えると居ないほうが都合が良かったのかなと邪推してしまいます。

いやー、2巻も面白かったです。3巻も続けて読みたいところですが、残念ながら文庫版の3巻の発売日は今月末なので暫くおあずけとなります。多分来月の頭辺りで読むことになるので、読んだらまた感想書きます。

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