地に伏しアメを降らす【岳飛伝5巻】

ここまでで一番多くの出来事が起こり、動き出した巻ではないでしょうか。本巻の中で一番大きな出来事としては岳飛と兀朮の戦いの決着がついたことになりますが、傍観する側であった梁山泊側も前後するように大きく動いた印象です。

いくつかありますが、その中でも特に心が揺り動かされたのは韓成関連かな。楊令伝中盤までの韓成は中々面白い役回りで好意的に見ていましたが、途中からは下る一方で、その下りっぷりは岳飛伝でも引き続いていました。それがここにきてようやくでしょうか、居場所を見つけたように思えます。

もう一人面白くなってきた人物は、王清です。掴みどころのない人物だと思っていたところに強烈なボディーブローを喰らいました。清と濁ほど印象は違いますが、武松と潘金蓮の話を思い出してしまい、古傷をえぐられた気分です。果たして王清はどこにいくのでしょう。

最後の最後には南でも一つの大きな成果があがりました。北での戦など関係なしとばかりに開拓で盛り上がっていて単純に楽しいです。

志の行方はどこへ行くのか。自分も見届けたいと思います。折り返しにはまだ早い5巻を読み終わったところですが、感覚的には楊令伝の童貫戦の後に似ているように思います。まだまだここからのはずだけど、同時に大水滸全体の余韻のようなものを感じています。

5巻の感想というのは以上でしたが、これを投稿するまでに6巻を読み終えてしまいましたw。6巻を読み終わってしまったので書いてしまいますと、6巻単体での見どころ言うのか語りたいことがほぼありませんでした。5巻で動き出した流れでの継続が多く、唯一ビリビリと来たのは李俊と項充のやりとりですね。あれは読んでいてニヤけてしまいます。南もいよいよ実戦の気が出てきたというところでしょうか。

これぐらいしか語りたいことはなかったので次は7巻を読み終わったら語りたいと思います。

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