二雄堂々【岳飛伝4巻】

既に文庫版6巻まで発売されている状態ながら、ようやく4巻を読み終わりました。この4巻ではようやくというべきか、作品の主軸となるであろう岳飛と兀朮の激突があり、また同時に彼ら二人の未来が垣間見えるものとなっています。

戦の内容については実際に読んでいただくとして、その戦い様というのは両者実に堂々としたものです。しかし、描写に関しては水滸伝及び楊令伝の頃と比べると淡白に感じました。何故そう感じたのだろうと少し考え見えてきたものは、他者感(他人事)な雰囲気が強いからです。

それは、作中の描写にあった褚律と羅辰の気持ちに近いものがあります。彼らと同じく岳飛に肩入れはしつつも岳飛も梁山泊の人間ではない。そのために戦の結果というものについて大局的に楽しめない部分があるのです。

だからといって面白くなかったかというと、そうではない。戦局自体は読み応えはあります。ただ、今一番面白いのは秦容が行っている南の新開地での話です。甘庶作りや交易をするだけかと思ったら、今巻では将来的に戦場になりうるという話も出てきました。退役軍人たちで戦うのか、はたまた地元の住人を鍛えて迎え撃つのか、それとも梁山泊本隊が出てきて戦うのか、色々と妄想できます。張朔含めて南が熱いです。

てな感じの4巻でした。なんというのかTHE 感想という感想で人様に見せるものでないことは痛いほど分かるのですが、何故か書いてしまいました。書いてしまったので無駄に投稿します。5巻と6巻も買ってありますので、一息おいてか二息おいてか暫くかおいてかしたら読みます。読んだら無駄に感想を書きます。

0件のコメント
コメントを書く